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2020/08/17

それでも事務所が必要なら


 物理的な場所としての事務所に人が集まるのが難しくなったとき、それを代替して組織を維持するためにはいろいろな工夫が必要だ。これもまた、できることから始めよう。

デスクや会議室の仮想化

 まず、会社には何があるのかを考えてみる。典型的には事務作業をするデスクや会議や打ち合わせをするためのスペースといったところだろうか。
「そこでしかできないこと」を減らすために、紙やFAXを使うことをやめ、パソコンで作ったデータはクラウドストレージに置くようにすることで、いわゆるデスクワークの多くは仮想化することができる。こうして考えると、パソコンでの作業のほとんどすべては、すぐにでも仮想化できるはずだ。

それなら会議室やミーティングスペースもクラウドに置けばいい

 ビデオ会議だけなら、facebookメッセンジャーでもLINEでもできる。日常的に面識のある組織内でのミーティングなら電話を使ったって同じだ
 ZoomMicrosoft TeamsGoogle Meetなどは、会議の仮想化を支援する主たるサービスだ。たとえば、Zoomはコロナ禍におけるコミュニケーションツールとして、仕事のみならず、オンライン飲み会までに使われるほど浸透し、一気に注目を集めた。
 また、Microsoft Teamsは、リアルタイムの会議だけではなく、会議と組織における日常的なコミュニケーションを統合した会社そのものを仮想化する手段として提供されている。漠然と物理的な会社をクラウドに置いて仮想化したいならTeamsを使うのがもっとも手っ取り早いかもしれない。

関係者しか参照できないソーシャルネットワーク(SNS)環境

 どんなビデオ会議を使うにしても、そこにあるのは体裁だけだ。つまり、複数のメンバーが同じ場所で顔をつきあわせて会話するという行為を単純に仮想化したものにすぎない。誰かが議事録をとらなければならないだろうし、個々のメンバーは個別にメモをとる必要もある。ビデオ会議を進めながら参加者自身が関連資料を参照する必要もあれば、あらかじめ作っておいたプレゼン資料などを参加者全員に見せるようなことも求められる。これを1台のノートパソコンだけでこなすのは、なかなかたいへんだ。
 記録についてはビデオ会議を録画することもできるかもしれないが、それをあとで見直すようなことは考えたくない。1時間の会議の振り返りに1時間かけるのは、どうにもむなしい。そうなると会議のあり方を変えることを考える必要があるだろう。