2020/08/04

外付けモニターの選び方


 オフィスでも自宅でも仕事のために作業する場合に使うリアルなデスクは、どのくらいのスペースを確保できるだろうか。当たり前の話だが広い方が快適に作業ができる。


机は広い方が便利

 パソコンの操作画面も広い方が快適だ。参考資料を参照しながら企画書やプレゼンのデータを作ったりするには、複数のウィンドウを視認性を確保して表示できたほうが便利に決まっている。
 でも、ノートパソコンの画面は広くて15.6インチ程度だ。昨今のモバイルノートパソコンなら13.3型程度だろうか。ビジネスで頻繁に使うA4の用紙を画面に重ねてみよう。まるで広さが足りない。
 小さなウィンドウで視認性を確保してページ全体を見渡せるようにするためにスクロールという手段が使われる。ページ内を行ったり来たりすることで、全体は表示できなくても、必要な部分は参照できるというわけだ。でも、その操作はまどろっこしい。

ノートパソコンの画面の拡大縮小

 ちょっと難しい話をする。ウィンドウズを使うには23~24型画面がもっともリーズナブルだという話だ。
 その理由は、ウィンドウズの表示画面は96dpiが想定されているからだ。dpiというのはドット・パー・インチの頭文字で、1インチあたりにいくつのドットを表示できるかを示す値だ。つまり1インチあたりに96個の点が表示できることを意味する。
 一般的なノートパソコンは横方向に1920ドット、縦方向に1080ドットのグラフィックスを表示できる液晶を備える。フルHD(FHD)と呼ばれ、そして液晶サイズはまちまちだ。
 FHDを96dpiで表示するには23インチの画面が必要だ。画面のインチ数は対角線の長さを指す。23型よりサイズが小さいノートパソコンの画面は、dpiの値は大きく、きめ細かいが、23インチ画面と同じ情報を表示すると、表示が小さすぎて視認性が確保できない。
 そのため、ウィンドウズには画面の表示を拡大縮小する機能が用意され、25%単位で指定できるようになっている。25%というのはかなり大雑把だが、13.3型なら150%、15.6型なら125%などが推奨値になっている。もちろん拡大すればするほど一度に表示できる情報の量は少なくなる。だが、23型ならウィンドウズ標準の96dpiのまま、拡大も縮小もしない100%表示で使える。
 それなら30型や40型の大きな画面ではどうだろう。ウィンドウズの拡大縮小機能には100%未満の設定が存在しないので、ただ大きく表示されるだけということになってしまう。大きなテレビにノートパソコンをつないだときがこのパターンに相当する。普通の距離でモニタに向かう場合、大きすぎるモニタは、はっきりいって意味がないのだ。
 こうしたこともあって、ウィンドウズをFHDで使うことを前提にするなら、画面のサイズは23型を選ぶのがベストで、製品としてはそれよりちょっと大きい23.8型の液晶ディスプレイが目立つので23~24型で決まりだ。価格もこなれている。
 もっとも、最近では4K表示が浸透しつつある。縦横の比率は同じだが3840×2160とドットの数がFHDの4倍ある。ちなみに4Kを96dpiで100%表示するには46型の画面サイズが必要だ。さすがに大きすぎる。ではどうすればいいのか。