クラウドストレージというと難しそうに聞こえるが、使ってみればそんなに難しいものではない。実際に使うにあたり、そのあらましを説明しておこう。たとえばマイクロソフトのOneDriveの話だ。
OneDriveはウィンドウズと統合されたクラウドストレージ
パソコンでの作業では新たにデータを作ったり、以前に作ったデータファイルを編集したりする。その繰り返しだ。作業の結果は、多くの場合、パソコンに保存するわけだが、その保存先はいつもどこにしているだろうか。パソコンにはたいてい数百GBの容量を持つディスクが内蔵されていて、そこにデータファイルを格納するのが普通だ。
同じように、クラウドストレージサービスは、インターネットを介して参照できる遠く離れた場所に、自分だけが使えるディスク領域を確保し、パソコンに内蔵されたディスクと同じように使えるようにする仕組みで提供されている。手元にあるか、遠く離れたところにあるか、その場所が異なるだけで、扱い方については目の前のパソコンの内蔵ディスクに格納するのと使い勝手は基本的に同じだ。というか使い勝手ができるだけ同じに感じられるように工夫されている。
オリジナルはクラウドに保存、パソコンにはコピーを保存
OneDriveを統合したWindows 10は、パソコンに内蔵されたディスクにエンドユーザーがデータファイルを作ると、自動的に、そのファイルをクラウドストレージに転送する。この仕組みによって、目の前のパソコンの中に置いたファイルと、遠く離れた場所にあるクラウドストレージ上のファイルは同じになるように保たれる。この仕組みが「同期」だ。
別の場所の別のパソコンで同じようにOneDriveの中味をのぞくと、そこには最新のバージョンのファイルが見つかる。そのパソコンで初めてそのファイルを開く場合には、クラウドからローカルに自動的にダウンロードされ、それを編集すればクラウド側のファイルに反映される。つまり、オリジナルはあくまでもクラウド、各パソコンにはそのコピーを置き、編集などで変更すればクラウドと同期してファイルの内容が更新されるという仕組みだ。だが、エンドユーザーにとってはローカルのファイルを扱っているのと違いがないように感じられる。
クラウド側のファイルは常に最新に保たれるので、万が一、パソコンが故障しても大事なファイルは最新のままで無事。実に安心だ。その一方で、ローカルでファイルを消してしまうと、クラウドのファイルも消える(もちろん救済の方法はある)。クラウドがオリジナルだからだ。雲をつかむような話だが本当だ。