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2020/09/16

検索できない文書は存在しないのと同じ


 ファイル名をきちんとつけて、しかるべきフォルダの中に、きちんと保管したはずなのに、絶対にあるはずのファイルが見つからない。よくある話だ。でも、本当にあるなら、必ず見つけ出せる。

|| ファイル名はどうでもいい

 ファイル名をつけるのは難しい。ぼく自身のファイル管理の方法として、たとえ数行のメモだとしても、ひとつのファイルにすることをめざしていた時期があったが、それはもう、メモを書くよりファイル名をつける方が時間がかかったりもしていた。
 ファイル名をきちんとつけることで、目視での探しやすさが生まれる。整然と分類されたフォルダをたどっていけば、必ずファイルが見つかるようにしたかった。
 でも、そのうち、予定表の件名をそのままファイル名にするようになって少しは気が楽になった。たいていのメモは予定の件名をこなすときに発生するからだ。そして、フォルダでの分類もかなりいい加減になりつつある。フォルダを別にするのは、同じ名前のファイル名をつけなければいけないくらいの理由しかなくなった。

|| どこにあるかわからないから串刺したい

 いろいろな工夫でメモを見失うことは少なくできる。あれほど苦労したファイル名やフォルダ分類にしても、もう適当でいいかと思っている。なぜなら、コンピューターで作った機械可読の文字データである限り、検索すれば、必ず見つかるからだ。ちょうどGoogleの検索ボックスに文字を入れれば分類のことなど関係なくサイトが見つかるのと同じだ。あのYahoo!だって、カテゴリー分類での検索方法はもう提供していない。
 ただ、近年は、メモが分散する傾向にある。パソコンローカルにあるメモ、クラウドサービスのストレージにあるメモ、Google Keepのようなメモアプリにあるメモ、そして、メールや予定表に記された内容など多岐にわたる。これらを串刺しで検索対象とするソリューションがないのには閉口する。スタートボタンの右側にある検索ボタンをクリックすれば、キーワードを入れての検索ができるのだが、アプリ、ドキュメント、ウェブ、その他と、カテゴリーを指定する必要がある。「すべて」も用意されているのに検索対象は全然すべてじゃない。探す側は、メールだったか文書だったかよく覚えていないからここで探すということを、なぜ理解できないのだろうか。Windowsには、ローカルファイルの検索のために、インデックスを作成する機能があって、既定でそれがオンになっている。高速に検索ができるはずなのに残念だ。

|| 手書きはまだ先

 昨今のトレンドとしてデジタルペンによる手書き入力が注目されている。パソコンでもタブレットでもスマホでもだ。ただ、個人的には、ペンでメモを手書きすることはまずない。というのも、手書きのメモを検索対象としてテキストデータ化する精度がまだ厳しく、ただのインクのシミとしてしか機能しないからだ。
 もちろんMicrosoft OneNoteのように、デジタルインク文字をテキスト変換する機能を持つアプリもあるが、まだオマケ程度でしかない。A4のコピー用紙にボールペンで殴り書きした文字を、スマホで撮影したり、スキャンすれば鮮やかにテキストデータ化することができるようになったら考える。
 もっとも、そういう日は近い将来必ずやってくる。その日が来るのを待ちつつ、今は検索できないことを覚悟の上で、暫定的にデジタルペンで手書きして放置しておくというのも、それはそれでありかもしれない。