Excelなどのシートに落とし込んだデータは、中長期的な改善や効率化に役立てることができる。そのデータの入力は毎日の積み重ねでもある。
フォームとシートとドキュメント
以前、「紙での作業をデジタルに」や「なんでもかんでもExcelにしてみる」という記事を書いた。前者はフォームの活用で表にデータを入力する作業を親しみやすいものにすることを紹介したものだし、後者は非定型な文書的な体裁のコンテンツも、ちょっと工夫すればExcelのシートに落とし込めるという話だった。
ということは、フォームに必要事項を入力すれば、非定型な文書的な体裁のコンテンツができあがるということでもある。
フォームを使えば、Excelのシートのような無機質な表にデータを入力する難解な作業を回避し、親しみやすい対話型のユーザー体験を得られる。Excelのシートにデータを入力するよりも、フォームに入力する方が簡単そうに感じられるからだ。
つまりフォームはデータ入力のためのフロントエンドであり、Excelはフォーム、すなわち伝票の束をまとめて分析するための道具として考えた方がいい。とにかく入れる。分析などの先のことはあとで考えればいい。
パソコンのことがよくわからないユーザーに、いきなりExcelにデータを入力するように求めても抵抗されるかもしれない。でも、伝票と同じように入れればいいとフォームを見せれば、なんとかなりそうだという気にもなってもらえる。
世の中はExcelでできている
コンピューターの世界は、いろいろと難しいことが多いけれど、基本的にはこうした仕組みになっているものがほとんどだ。今、書いているこの文章にしたって、段落ごとにシートにセルを追加する1列、または1行の表にすぎないと考えることができる。
そういうふうに抽象化して考えれば、コンピュータでの作業は、そんなに複雑なものではないように感じられるようになるかもしれない。
要するに、今やっている作業をテレワークでこなすのは無理とか、在宅では難しいとあきらめるのではなく、ちょっとでもラクができるのではないかと考えをめぐらすだけで、意外に簡単に糸口が見つかり、あれよあれよという間に、組織のデジタル移行が進み始めるかもしれないということだ。コンピューターは思っている以上にカンタンだ。