ローカルより大きなストレージをクラウドに確保しよう
自分が自由に使えるストレージは、どのくらいの容量があるだろう。個人が普通に使うデータとしては、映像、写真、音楽が比較的サイズの大きな部類に入る。このうち映像は自分で撮影したものでない限り、手元に保管する必要はない。音楽も同様だ。配信サイトなどでは絶対に聴けないものだけに限定し、他のものは聴き放題サービスなどにゆだねればいい。
写真についてはどうか。多くの人が写真を撮るのはスマホだ。スマホの容量を圧迫するくらいにたくさんの写真を撮る人もいる。だが、こちらも撮った写真をすべてクラウドに置くようにすればスマホの容量は圧迫せずにすむ。コンパクトデジカメやデジタル一眼レフカメラなどで撮影し、メモリーカードに保存した写真については、撮影から戻った時点で、パソコンを使ってクラウドに移動しておく。
こうしてクラウドを最大限に活用するようになると、HDDやSSDなど、パソコンのローカルストレージについては、そんなに大きな容量がなくても実用的には不便がなくなる。
極論かもしれないが、目の前のパソコンだけにあるファイルと、クラウドだけにあるファイルを比べたとき、どちらが安全かというと、間違いなくクラウドに置かれたデータだ。突然、サービスが停止されるとか、アカウントを抹消されるとか、障害が起こるといったことがなければ、万全のケアをされる状態だといってもいい(アクシデントがないとは限らないのではあるが…)。だから、目の前のパソコンで自由に使えるストレージ容量よりも、ひとまわり大きなクラウドストレージを確保しておくことが重要になる。
Officeとクラウドストレージをセットで確保
クラウドストレージのためのコストだが、現実的には、Microsoft
365 Personalを契約するのがリーズナブルだ。1TBのクラウドストレージとしてOneDriveが使えて、さらにOfficeアプリが利用できる。これが12,984円/年だ(2020年12月6日現在)。安く感じるか高く感じるかは人それぞれだと思うが、一ヶ月1,000円ちょっとで得られる安心と便利さの代償として、保険としても考えたらどうだろう。
パソコンを買ったときにOfficeがプリインストールで入っていた場合は永続ライセンスだから、そのパソコンを使い続ける限り、Officeも追加料金なしで使い続けることはできる。OneDriveの1TBは更新手続きが必要だが、半額程度での利用ができる。
1TBで足りない場合は追加もできる。仮に1TBを追加すると、1,124円/月だ。合計2TBとなり、OneDriveとOfficeアプリで年間合計26,472円。ただし、2TBを超えるプランは今のところ用意されていない。1TBの追加では足りないなら、他のサービスへの分散などを考える必要がありそうだ。
ちなみにGoogleが提供するクラウドストレージサービスのGoogleOneの場合、ストレージのみのサービスだが2TBで13,000円/年と感覚的にはOneDriveの半額近い。また、アマゾンには1TBで1,300円のAmazon
Driveがある。価格的にはOneDrive同等だが、Prime会員は無制限のフル解像度フォトストレージが利用できる。本当はストレージは同一サービスに集めた方が使いやすいし、OneDriveはWindowsと統合されているからこその使い勝手がいいのだが、写真など、サイズの大きなデータだけは別サービスを利用するというのも一つの手だ。