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2021/01/27

パソコンとポート


 ノートパソコンにはその機能を拡張する端子が装備されている。ポートと呼ばれることが多い。つまり船が往来する港だ。その種類と数について考えてみよう。

外部機器との接続でパソコンの機能を拡張

 パソコンの機能は外部機器との接続によって拡張することができる。そして、今、もっともポピュラーに使われているのがUSBで、USB端子を持たないノートパソコンは皆無といっていい。キーボード、マウス、オーディオスピーカー、ディスプレイ、各種メモリーカードリーダー、各種ストレージなどあらゆる機器がUSBで拡張できる。

 USB以外のポピュラーなポートとしては、HDMIポート、有線LANポート、イヤフォン兼マイクジャック、メモリーカードスロットといったところだろうか。

 もちろん、ポートの数や種類が多ければ多いほど拡張性は高くなる。万が一必要になったときに困らないようにと保険の気持ちで豊富なポートを確保しておきたいという気持ちになるのも仕方がない。

 でも、万が一というのが1万回に1回だとすると、1日に10回パソコンを開いて使うとして、1000日に1度、あっ、あのポートがないっ! と叫ぶわけだ。つまり、3年に1回困ることになる。そのために各種ポートが豊富に揃っている必要があるのかどうか…。

 

2種類のUSBプラグ

 USBについては今、2種類の形状のポートが使われている。USB Type-AUSB Type-Cだ。Type-Aはお馴染みの板状プラグを持つもので、USBといえばType-Aというくらいに普及している。本当はType-Aという規格はなくて、USB Standard Aというのが正式名称だ。それと対になるのがパソコン側にポートとして装備されている。昔はオスとかメスとか言えて便利だったけれど、今はちょっと自粛したほうがいいかもしれない。ここでは便宜上、Type-Aと呼ぶことにする。

 一方、Type-Cは、ここ数年で普及してきた形状で、Androidスマートフォンに装備されているポートはこの形状が一般的だ。もちろんパソコンにも装備されることが多くなってきているし、そのうち必須になるだろう。

 Type-AType-Cは、あくまでもプラグの形状の規格であって、そこを流れる信号について規定するものではない。同じ形状のプラグであっても、ポートそのものの機能が異なることが多い。Type-C端子が2つ並んでいるパソコンでも、双方の機能が異なるということは珍しくないので注意が必要だ。これは、スペック表を目を皿のようにして確認しておく必要がある。複数のポートがある場合、もちろんすべてが同じ機能というのがいい。USB関連については、IT用語の豆知識: USBのバージョンとジェネレーションIT用語の豆知識: USB Type-Cに書いたので参考にしてほしい。

 とりあえず、これからパソコンを買うなら、USB4対応がキーワード。まだ種類が少ないが、呪文のようで申し訳ないが、少なくとも「USB3.2(Gen2) USB Power Delivery, DisplayPort Alt Mode対応」または「Thunderbolt 3」対応と記載されたポートを持つ製品を選びたい。


 

いったいいくつのポートが必要なのか

 極端にいえば、USB Type-C端子がひとつあればほとんど困ることはない。昔からずっとパソコンを使ってきていて、膨大な種類のUSB機器が手元にあって、それらをまだ使い続けたいというのでもない限り、拡張したい機器のほうがType-C対応しつつあるので心配はない。

 それに周辺機器は無線化が著しい。たいていの機器はUSBで有線接続することなく、Bluetoothで接続できる。あとはクラウドを使うなど、万が一の場合には、いろんな方法で回避できる。会議室のプロジェクターが映像入力をHDMIでしか受け付けないような場合も、変換ケーブルやハブなどを使えば大丈夫だ。HDMIはテレビに映像出力するときにも使える。

 最近は、Type-Cを使って電力供給するパソコンも増えている。その場合、端子がひとつしかないと困ることもあるかもしれない。こうした状況なので、ノートパソコンにはTypeCポートがひとつ、それこそスマホを充電したいといった万が一に備えてふたつもあれば十分だ。誰かがType-AUSBメモリーでファイルを渡したいといってきたら、メール添付やクラウド経由にしてもらうか、Type-C A兼用のUSBメモリーを渡して、コピーしてもらおう。きっとそのうちType-Cだけの世界がやってくる。