ノートパソコンの画面サイズと縦横比
おそらく多くの場合、これからパソコンを買うにあたり、ノートパソコンを検討している方が多いだろう。なんといっても持ち運びができるから、いつでもどこでも使えるのがいい。世の中の多くのパソコンは、たとえそれがノートパソコンであったとしても、買ってから一度も外に持ち出されることはないそうだが、やっぱりもしかしたら持ち歩くかもしれないという気持ちはある。
オーソドックスなノートパソコンはクラムシェルとも呼ばれる。画面とキーボードがヒンジで一体化していて、閉じると貝殻のようになるからだ。
その画面サイズはインチで表す。インチは長さの単位で、1インチは約2.54センチになる。画面は四角形だが、その対角線の長さで画面サイズを表す。もちろん数字の大きい方がサイズは大きい。一般的なノートパソコンは、
ü 12.1インチ
ü 13.3インチ
ü 14インチ
ü 15.6インチ
のどれかだと思っていればいい。もっと大きな、あるいは小さな画面の製品もあるが、ちょっと特殊な部類だ。基本的には画面サイズは大きい方が作業効率は上がる。
とはいえ、ノートパソコンそのもののサイズは画面サイズに大きく左右される。それが持ち運びに影響する。また、キーボードのサイズも同様だ。こちらはタイプのしやすさに影響する。
最近は狭額縁といって、液晶の周りの額縁を狭くすることができるようになり、ボディサイズは以前の13.3インチと同じサイズなのに14インチの画面を実装した製品も見かける。
そして、画面の縦横比は、
ü 16:9
ü 16:10
ü 3:2
のどれかだと思う。縦横比はアスペクト比ともいう。この順に縦長になっていく。現時点では16:9が多いが、ちょっとした変化が起こりつつあって、主流が16:10か3:2のどちらかにシフトしそうなムードもある。縦横比については賛否両論があるが、それは使いこなしでカバーできるので、あまり深く考えなくてもいいだろう。
そして解像度。画面上にいくつの点を表示できるかの指標だ。とりあえず16:9の縦横比の画面でいえば、
ü 1920×1080
ü 3840×2160
がほとんどだと思う。圧倒的に前者が多い。これはテレビの画面と同じ比率、解像度だ。フルHD(FHD)ともいわれる。最近は4Kテレビの普及が始まっているが、それに相当するのが後者になる。同じ面積なら解像度が高い方が、画面の精細度は高くなるが価格も高くなる。ちなみに、13.3型の4Kではそのまま使うには表示が小さすぎてつらい。だから、画面の表示倍率を上げて使うので、精細度のことを考えなければ、パソコンの画面は実サイズだけで実用度を判断できる。
結局、何インチがいいのか
その昔、一家に一台というレベルでノートパソコンが浸透していったときの画面サイズの主流は15.6インチだった。持ち運びを考慮したモバイルノートパソコンがもてはやされるようになって、13.3インチの製品が数多く出てきた。でも、それでは小さすぎるということで14インチへのシフトが始まっているというのが今だ。
いろんなサイズのノートパソコンを使ってきた経験からすると、15.6インチは毎日の持ち歩きにはちょっと大きすぎると思う。カフェで開くにしても、電車の中で使うにしても大きい。たぶん周りの視線が気になるだろう。大きい方が作業効率は高まるのだが、持ち運びが億劫で結局持ち歩かなくなったり、持ち運んでもカバンから出すのがためらわれるようなら、最初から据置型のデスクトップパソコンを選んだ方が安上がりだし、据置型のモニタならもっと大きな画面で作業ができる。
ただ、外に持ち出さないにしても、使わないときは片付けたいといったニーズはある。また、リビング、食卓、寝室、書斎と、家の中で持ち運びたいという場合もある。常置場所を確保して据置するような余裕がないこともある。もしそうなら、据置型という選択肢は消えてしまう。
結局、自分はどんなパソコンの使い方をするかという想像力が必要なのだが、万人にそれを求めるのは難しい。そういう意味では、少なくとも、この記事を書いている時点では、14インチがオールマイティだが、オールマイティというのは中途半端というのと同義であるだけに難しい。
結論としては、ノートパソコン本体の画面サイズは好みで決めていい。とにかく自分が持ち運ぶ気になるサイズを選ぼう。大画面は重量にも影響を与えることを忘れてはいけない。
持ち運んで使えれば、そのほうがパソコンを使う時間がトータルで長くなる。結果的にトクをする。そして、作業しやすいサイズの外付けモニターをつなぐというのが今はもっとも現実的な解になる。少なくともテレビにつなげばいつでも大画面は手に入る。