メモリは8GBが基本
先日書いたように、パソコンには主記憶と補助記憶があって、補助記憶は主記憶の不足を補う。だから、主記憶、つまりメインメモリーだけで足りなくなると、補助記憶にメインメモリーのデータの一部を待避してつじつまをあわせる。これをスワップというが、作業に十分なメインメモリーの量が確保できていないと、頻繁にスワップを起こしてパソコンの稼働が遅くなってしまう。
今、一般的なWindowsパソコンを快適に使うには8GBのメモリがあれば、それほど不満のない操作環境が得られる。ただ、作業の内容によってはそれではとても足りないということにもある。あるいは、今はそれでよくても、今後使い続けるパソコンのライフサイクルの中でずっとそれで足りるかどうかはわからない。
ところが、途中でメモリが足りないことに気がついても、あとからの増設は難しい。ノートパソコンの多くは、内部の基板にメモリのチップが直に装着されていて、大きな容量のものに交換したり、チップを追加したりといったことができないからだ。だから、購入時に自分に必要なメモリの量を見極め、それに十分な量を確保しておく必要がある。目安としては、自分に必要なメモリ量の倍だ。8GBでいいならできる限り16GBを奢ろう。4GBのパソコンは見なかったことにしてほしい。
ブラウザひとつで跳ね上がるメモリ消費量
自分に必要なメモリ量を調べるには、タスクマネージャーを使う。スタートボタンを右クリックすればメニューに表示されるはずだ。簡易表示を詳細表示に変更すると、現在稼働中のプロセスが一覧できて、プロセッサ、メモリ、ディスク、ネットワークなどのリソースがどのくらい消費されているかがわかる。
パフォーマンスタブに切り替えると、それぞれの細かい情報がわかる。その中でメモリの項目を確認すると、搭載総メモリ容量と使用中のメモリ、利用可能なメモリの量などがわかる。また、コミット済み、キャッシュ済み、ページプール、非ページプールといった詳細もここで確認できる。
使用中メモリは、そのとき使用されているメモリの量で、利用可能メモリは使えるメモリの量。両方をあわせるとだいたい総メモリ容量になる。
注目してほしいのはコミット済みメモリの量だ。この容量はそのとき使っているメモリの総容量を示す。それが実際に搭載されているメモリの量よりも多い場合は、ストレージにスワップされているわけだ。スワップをゼロにするのは難しいができるだけ少なくできるのが望ましい。
使える実メモリがないのに利用可能メモリとして表示されるのは、冒頭に書いたようにスワップしてストレージをメモリ代わりに使っているからだ。その量があまりに多いととても使っていられないくらいにパソコンの動作が散漫になる。
今、手元にはほぼ同じ構成でセッティングした3台のノートパソコンがある。それぞれ4GB、8GB、16GBのメモリを搭載している。プロセッサの世代が異なるので厳密な比較はできないが、コミット済みのメモリーはどれも8GB前後だ。つまり、現状では8GBのメモリであまり困ることはないが、ちょっと先はわからないということがわかる。なにしろ、ブラウザでウェブサイトひとつ開くだけで、消費メモリ量は跳ね上がる。4GBは言語道断、8GBで今は安心、これから買って2~3年は使いたいなら16GBを死守しよう。