文字データとアプリ
パソコンを使っている時間のうち文字を入力している時間はかなり長い。人によっては動画や写真、イラストの編集に要する時間の方が長いかもしれないが、そんな人でも文字はいっさい入力しないということはありえない。
Windowsの場合、文字を並べたデータファイルを作るためのアプリが2種類ある。ひとつは「メモ帳」、もうひとつは「ワードパッド」だ。どちらもスタートメニューのWindowsアクセサリとして登録されている。
「メモ帳」が扱えるのは文字データだけだ。しかも文字にフォントやサイズ、色といった属性を持たせることはできない。画像の配置もできない。まさに文字だけだ。こうしたアプリをテキストエディタと呼ぶ。
それに対して「ワードパッド」は、文字の装飾もできれば、各種のグラフィックスも配置できる。とはいえWindowsのオマケに過ぎないので、自由度のことを考えればWordや一太郎のようなワープロアプリにはとてもかなわない。それでもある程度のことはできる。
ワープロアプリとテキストエディタ
個人的には、文字データの入力にはWordと秀丸エディタを併行して使っている。秀丸エディタは市販のアプリで、自分の使い方ではメモ帳程度の機能しか使っていないのでもったいないのだが、何十年も使っていて愛着もあり手放すことができない。
ビジュアル要素が必要な文書にはWordを、テキストだけでいい場合には秀丸だ。Wordでもテキストファイルを作ることはできるが、今、どのくらいの量を書いたのかを知るのに一手間かかる。ステータスバーにはその時点での文字数は表示され、それをクリックするとその他の情報は表示されるのだが、今書いているカーソル位置が先頭から何行目なのかがわからないので、今、どのくらいの量を書いたのかといったことを把握しにくいのだ。でもまあ、一般的には、36字×40行で文章を書くといったシバリがある作業は限られているだろうから、普通はワープロアプリが万能アプリとして使われていることが多いはずだ。個人的にも、かつては秀丸一辺倒だったが、この10年くらいはWordを使うことが多くなってきている。実際、この原稿にしてもWordを使って書いている。図版の挿入はもちろん、文字列へのリンク情報の設定などがテキストファイルではできないからだ。
昔は、テキスト処理に、sort、uniq、wc、head、tail、grep、sedなどなど、いろいろなユーティリティを使うことが多かったが、今は、ほとんどワープロアプリ内で完結するため、あまり不便を感じないというのもある。
ちなみに手元の環境では、Wordを起動するのに2秒程度かかるが、秀丸エディタは0.5秒以下で起動する。1日あたり、両方のアプリを200回以上は開いたり閉じたりしていると思うが、1回につき1.5秒をトクするとしたら5分程度の違いになる。ちなみにWordは起動時のコマンドラインスイッチでテンプレートを指定してすぐに編集画面になるように設定している。スプラッシュスクリーンをオフにしても起動に要する時間は変わらないようだ。1日5分間は長いといえば長いがそんなに深刻な問題ではないと自分を納得させている。