HDMI接続でつなぐ
もっともよく知られているノートパソコンからの映像出力方法はHDMIによるものだろう。両端に同じHDMIプラグを持つケーブルを用意し、ノートパソコンと外付けモニターを接続するだけで映像と音声を出力することができる。
一般的な据置モニターはもちろん、モバイルモニター、そして、プロジェクターから一般的なテレビまで、ほとんどすべての映像モニターがHDMI端子を装備しているし、多くのパソコンもHDMI端子を装備している。また、ケーブルも最近ではダイソーなどのショップでカンタンに手に入る。330円でケーブルが買える時代がやってきたかと思うと驚いてしまう。
HDMIがすたれてしまうことは、当面ないと思われるが、これからの主流になりそうなのがUSB Type-Cポートを使った映像出力だ。HDMIと同様に映像と音声の両方を出力することができる。具体的にはUSB Type-C オルタネートモードと呼ばれる規格を使い、USBやThunderboltなどの規格に準拠した高速ケーブルを使ってUSB以外の信号を流す。
Type-Cなら電力も運べる
ノートパソコンも外付けモニターも電子機器だ。電子機器を稼働させるためには電源が必要だ。普通に考えればパソコンとモニターの両方に電源ケーブルを接続する必要がある。つまり、パソコンに電源ケーブル、モニターに電源ケーブル、双方を接続する映像/音声伝送用ケーブルの3本だ。3本のケーブルを接続するために、パソコンに2箇所、モニターに2箇所、合計4箇所のプラグの装着が必要だ。
だが、Type-C接続なら電力もいっしょに伝送できる。つまりパソコンからモニターに電力を供給したり、モニターからパソコンに電力を供給したりできるのだ。この仕組みを利用すると電源ケーブルを接続するのがどちらか片方だけでいいので、ケーブル1本を省略することができる。
ただし、パソコンからモニターへの供給は電力が低い場合が多いので、モニターからパソコンへの供給が無難だ。パソコンとモニターを1本のケーブルで接続することで、パソコンからモニターへは映像と音声とUSBデータが、モニターからパソコンへは電力が供給される。
100V入力ができる据置モニターは電源としても機能して、Type-C端子に接続されたパソコンに電力を供給できる。また、モバイルモニターの多くは2つのType-Cポートを装備しているが、100V入力ができなくても、Type-Cで電力を供給すれば、モニターが使う電力を差し引いて余った電力をもうひとつのType-Cポートからパソコンに供給できるようになっていることが多い。この機能をパススルーと呼ぶが、それができるかどうかが明記されていない製品が多いのが困る。
いずれにしても、電力を供給できるモニターを据置しておけば、それが設置してあるところにいって、モニターから生えているケーブル一本をパソコンに接続するだけで映像と音声が出力されると同時に充電も始まる。
最近のパソコンの多くはType-Cポートによる映像と充電に対応している。現時点では手元にはそれができない機器しかない場合も、新しくモニターを調達する場合、新しくパソコンを調達する場合は、Type-C端子の有無と、その端子が映像出力と電源入出力に対応しているものを選ぶようにしたい。近い将来きっと役に立つ。モニターのライフサイクルはパソコンよりずっと長い。将来的にも役に立つものを選んでおこう。
なお、Type-C端子があっても、その端子が必ずしも映像出力や電源入出力に対応しているとは限らない。スペック表を吟味して、「USB Power Delivery対応、DisplayPort Alt Mode対応」といった文言をチェックしておきたい。