2021/03/17

そのアプリはスマホとパソコンで同時に使えるか


 アプリの同時利用は合わせ技には欠かせない。スマホとパソコンの両方で同じアプリが使えるだけではなく、それを同時に使えるかどうかをしっかりと見極めたい。それができないアプリは死に絶えていい。

スマホの常用アプリをパソコンでも使う

 たとえばパソコンのPowerPointアプリなどを使って、一生懸命、翌日のミーティングで披露するプレゼンテーションを作っているとしよう。ちょっと行き詰まったときに、傍らのスマホがピーンと鳴ってブルッと震える。どうやらFacebook Messengerで、誰かからのメッセージが届いたようだ。

 そんなとき、ぼくなら迷わず、パソコンに向かったままで、ウェブをアプリ化したMessengerアプリを開く。なぜなら、たいていのメッセージには返事をしなければならないし、その返事の入力にはキーボードがあったほうが素早く入力ができるからだ。それに、併行して複数のスレッドで会話が進行しているときには、両方のスレッドを同時に表示して成り行きを見守ることもできる。スマホではこうはいかない。いちいち画面を切り替える必要がある。

 もちろん、パソコンに向かっていないときにはスマホで気づき、スマホで反応する。ポケットの中など、起きている間、ほぼすべての時間、行動を共にしているスマホならでだ。

 

いやなら使わないではすまされないアプリもある

 こうしたことができるのは、スマホとパソコンなど、複数のデバイスから同時にサインインして使えるようにサービスがデザインされているからだ。そしてその利便性は著しく高い。

 とはいうものの、インストールはできて、どのデバイスでも使えるが、同時に使えるデバイスはひとつに限定しているサービスもある。それどころか、原則としてひとつのデバイスだけでしか使えないサービスもあるから困ってしまう。

 たとえばLINEは原則として1台のスマホだけでしか使えない。パソコンのブラウザー拡張をインストールすることで、スマホに加えて、パソコンでの利用もできるが使える機能は限定されている。

 WindowsパソコンやMacでは、ストアで入手できるアプリ)もある。複数台のパソコンにもインストールがしておけるし、機能的にもブラウザー拡張よりはずいぶんマシで、今のところはこれがいちばん使い勝手がいい。ただし、同時にログインできるのは1台のパソコンだけだ。スマホとあわせて2ログインを維持できる。ログインした状態で、別のパソコンでログインすると、その前にログインしていたパソコンは自動的にログアウトされてしまう。また、トークの履歴などもインストール後の直近のものだけしか参照できない。

 LINE10年間かけて、これだけ社会の公共インフラに近いものに成長したのだから、コミュニケーションデータについてはサービス側ですべてを預かるくらいの覚悟を見せてほしいものだ。現在のように、スマホが壊れたら過去のコミュニケーション履歴はおしまいというのでは、あまりにもお粗末だ。