2021/03/19

スマホとパソコン、そのスクリーンサイズ


 大は小を兼ねるけれど、小も大を兼ねる。パソコンとスマホはそういう関係にある。どっちをどう使うかをうまく考えてどっちも役立てよう。小さいから大きいからという先入観は邪魔だ。

どんどん大きくなっていったスマホ

 最初のiPhone(2007年)のスクリーンは3.5型だった。iPhone 5(2012年)でようやく4型になり、その後はスマホのスクリーンサイズは10年かけてどんどん大きくなってきた。

 こんな大きなスマホ、誰が使うんだと言われた初代のGalaxy Note(2011年)は、フォンとタブレットのいいとこどりでファブレットと呼ばれたが、そのスクリーンは5.3型だった。今、まわりを見回せば、みんな6型超のスクリーンサイズのスマホを当たり前のように使っている。矩形の縦横比が同じ場合、面積は対角線比の二乗倍になるので、3.5型が6型になれば3倍近くの広さになっていることになる。

 一方、パソコンのモニターディスプレイも大型の道を歩んできた。かつては14型の4:3縦横比のブラウン管ディスプレイで使っていた。驚くべきことに、このサイズは、今のモバイルノートパソコンカテゴリーのスクリーンサイズで、もっと大きな15.6型スクリーンも長い間、据置型ノートパソコンの主流だった。

 ブラウン管モニターはそのうち17型になり、液晶に移行してからは23型前後が主流になった。今後、4Kが標準的になれば、27型や31.5型が一般的なサイズになるだろうけれど、23.8型は当面標準サイズとして居座り続けるに違いない。Windowsの基本設計が23型を想定しているからだ。

 

パソコンの画面をスマホのように使う

 大きなディスプレイは、たくさんの情報を同時に表示することができる。もちろん画面サイズに見合った解像度が必要だ。ところがが、人間の目が見やすく感じる文字や図形のサイズは変わらない。500円玉くらいのサイズの文字で小説やビジネス書、新聞記事を読むかというと、そんなことはしない。テレビと違って、モニターのサイズが大きくなっても、モニターからの距離はほとんど変えずに作業することが多いからだ。

 スマホのスクリーンとパソコンのスクリーンを考えるときに、スマホの画面は小さいからパソコンの画面で大きく表示するという考えを、いったんリセットしてみるのもいいかもしれない。パソコンの画面は広いから、スマホの画面をたくさん並べられるという考え方でやってみる。こう考えると、モバイルノートパソコンの13.3型程度のディスプレイでも、スマホ3台を横に並べたのと同じくらいあることがわかる。メールとTwitterとブラウザの3種類のアプリ画面を同時に眺めることができるのだ。アプリを切り替える煩雑な操作も必要ない。