パソコンとタブレットとスマホでWord文書
スマホのOfficeアプリでWord文書を開くとき、デフォルトでモバイルビューを有効にすることができる。これによって、印刷レイアウトを無視して文書が表示され、文字の拡大縮小に応じて折り返し位置が変わるリフロー表示ができる。
ところが、同じアプリをAndroidタブレットで実行すると、設定メニューにはその機能があるのに、実際の文書表示では、モバイルビューを使うことができない。せっかく便利な機能なのに、その恩恵を被ることができないのだ。
Googleドキュメントはどうか
では、マイクロソフトのOfficeに匹敵するくらいに使われているGoogleドキュメントはどうか。こちらはAndroidアプリとiOSアプリ、双方ともにモバイルビュー的な表示でスクリーンサイズに合わせて折り返されるリフロー表示ができる。ただ、ピンチ操作などで文字を拡大縮小しても、文字のズーム比率は変わるがリフローは起きない。これは不便だ。
さらに、Windowsパソコンでは、ウェブアプリだけが提供されている。そして、そこではモバイルビュー的にウィンドウの横幅に応じたリフロー処理は行われない。そもそもWordのWebレイアウト表示のような機能が存在しないのだ。
でも、ブラウザーのユーザーエージェントを偽装してAndroidやiPhoneになりすませば、見事に素晴らしいリフロー処理が行われる。ウィンドウのサイズを変更すればリフローされるのだ。ピンチ操作による拡大縮小はできないが、Ctrl+プラスやマイナスでの拡大縮小でリフローが追随する。だが、なぜかリードオンリーになってしまって編集ができなくなってしまう。
なかなか最適解が見つからないスマホとパソコンの連携手段
今のところ、スマホではOfficeアプリが、パソコンではWordのデスクトップアプリをWebレイアウトで使う組み合わせがもっとも快適だ。WordのWebアプリにはWebレイアウト表示の機能がないからだ。
一方、Googleドキュメントは、Wordと比べたときに、ちょっと使い勝手が悪い印象がある。特に、スマホでの表示の拡大縮小で文字列がリフローされないのは致命的だ。
WordにしてもGoogleドキュメントにしても、スマホとパソコンを併用するには、ちょっとした工夫が必要になる。このあたりの不便さは、もう少しなんとかならないものだろうか。やりたいことは用紙のサイズや文字サイズの呪縛から逃れて、あらゆるサイズのスクリーン、ウィンドウで読みやすく表示したいということ、それだけなのに。