オーバーラップとタイル
デスクトップに複数のウィンドウを並べるとき、それらが重なり合うようにするのがオーバーラップ、重ならないように敷き詰めるのがタイル表示だ。
オーバーラップの場合、下にあるウィンドウが見えない状態が発生する。小さなウィンドウの上に大きなウィンドウが覆い被さると、下のウィンドウが見えなくなってしまうからだ。もちろん、タスクバーなどを使って、下にあるウィンドウを手前にもってくることはできるが、今、自分がやっていることを把握しにくくなるかもしれない。作業中のウィンドウはすべて目の前に見えている状態であってほしいと思うのは自然な欲求だ。
タイル表示の場合は、ウィンドウをスキマなく敷き詰める。とにかくウィンドウの中身は別にして、少なくともウィンドウ全体が常に見えている。
このふたつのウィンドウ状態を超越するといってもいいのがウィンドウの最大化だ。とにかく有無をいわさず、デスクトップ全体を覆って独り占めしてしまう。その一方で、最小化はタスクバーに待機し、ウィンドウとしては見えなくなる。
これらのウィンドウの状態を行き来しながらパソコンでの作業を続ける。
現実的な解としてのタイル表示
Windowsでは、タスクバーのボタン以外の部分を右クリックすると、そのとき開いているウィンドウ、つまり、最小化されず、少なくともデスクトップ上に開いているウィンドウを対象に、「重ねて表示」、「上下に並べて表示」、「左右に並べて表示」で、適当なサイズに自動整列することができる。
たくさんのウィンドウを開いて収拾がつかなくなっているときに試してみるといいが、いわゆるオーバーラップ表示に相当する「重ねて表示」では、背後のウィンドウはタイトルバーのウィンドウタイトル程度しか見えないので、これならAlt+TabやWindows+Tabでのサムネール表示の方がわかりやすい。
その一方で、「上下左右に並べて表示」は悪くない。ウィンドウ間にちょっとしたスキマもあってデスクトップが完全に隠れることもない。このウィンドウズ配置を基点に個々のウィンドウの位置やサイズを調整するのもいい。ところがこの機能、いつの頃からかどうも挙動不審な動きをするようになっているのは困ったものだ。
作業中のウィンドウには常に見えていてほしいものと、実行が止まっては困るが、必要なときだけ表示したいものがある。とにかくデスクトップの広さには限りがあるので、そこをどう切り替えて使うかというのは、リアルな机を使っているときと同じで工夫が必要だ。
タイル表示には、多少の古くささを感じるのだが、狭いデスクトップを少しでも有効に活かす使い方としては実用的だ。特にモバイルノートパソコンの画面サイズでは、タイル表示が重宝するにちがいない。