遠くのパソコンを手元のパソコンで操作
パソコンの操作のためには、キーボード、マウスのようなポインティングデバイス、そしてモニターディスプレイがとりあえず必要だ。仮に、これらをパソコン本体に接続するためのケーブルを100キロ、200キロと引き回して遠くにあるパソコンに接続し、手元で操作することができれば、かたちの上では有線でのリモコン操作が可能だ。
自分でその3本のケーブルを数百キロ離れたところまで配線するのはたいへんなので、そこをなんらかの通信回線で代替する。まあ、手っ取り早いのがインターネットを使う方法だ。
インターネットに接続し、遠くのパソコンにキーボードやマウス操作を送り、その結果としての画面展開を目の前のモニターディスプレイに映し出すという処理をするには、手元でもある程度の処理が必要だ。もちろんインターネットも高速である必要がある。また、場合によってはカメラやマイク、スピーカーなども手元に必要かもしれない。汎用性を考えれば、USB端子も欲しいところだ。
早い話が遠くのパソコンを操作するのに手元にもパソコンが必要だということだ。せっかくパソコンをクラウドに追いやることができたのに、それを使うのにパソコンが必要というのは、なんだか変な話に思うかもしれないが、こればかりは仕方がない。
ただ、Chromeリモートデスクトップでわかるように、接続のためのアプリはWindowsに限らず、AndroidやiOSなどでも提供されている。あらゆる環境から、クラウドに預けた自分のパソコンが使えるのだ。
クラウドサービスとしてのパソコン
セキュリティアップデートなど、パソコンを常に最新の状態に保つのはとてもたいへんだ。もちろん唯一のパソコンなら、環境やデータのバックアップなどの手間もかかる。そういうことを含めていっさいがっさいをサービスとして任せてしまい、必要なときに必要なだけ自分のパソコンを使えるなら、その方がいいと考える人もいるはずだ。でも、そのサービスを使うのに、それなりのパソコンが必要というのは、なんだか禅問答のようで理解するのにちょっと時間がかかる。
それに、超高性能なパソコンをクラウドに所有したとしても、そのパソコンで高度な動画編集をしたりするのはたいへんだ。一瞬の操作が勝負に直結するゲーミングなども無理がある。
でも、そうした問題は、いろんなテクノロジーの進化によって解決されていくだろう。企業向けにはすでに当たり前のように提供されているサービスだが、一般消費者向けのリモートデスクトップサービスが始まるのも時間の問題じゃないだろうか。